Interviewインタビュー

2017全国ホールツアー「TOKYO SKA Has No Border」
東京スカパラダイスオーケストラ 谷中敦さん、加藤隆志さんインタビュー

新しいことをやるのは勇気がいるけど、得られることの方が多い
「“ノーボーダー”な気持ちを持つと“パラダイス”になった」

ジャマイカ生まれの音楽「スカ」を基に、自ら演奏する楽曲を“トーキョースカ”と称して独自のジャンルを築き上げ、世界を股にかけて活動する9人組の大所帯スカバンド「東京スカパラダイスオーケストラ」。約3年ぶりとなる20枚目のオリジナルアルバムを3月にリリースし、5月からは全国ホールツアーをスタート。そんな“スカパラ”のバリトンサックス・谷中敦さんとギター・加藤隆志さんに、本作に込めた思いやツアーへの意気込みなどについて話を伺った。

―Ken Yokoyamaさんとのコラボ完結作となる新曲『遠い空、宇宙の果て。』は谷中さんが作詞作曲されたんですよね。

谷中 横山くんに初めて日本語のオリジナルソングに挑戦してもらった『道なき道、反骨の。』とさらに日本語でラブソングに挑戦してもらった『さよならホテル』を作って、自分の中では完結した気でいて。でも、「横山くんともう1回やろう」ってメンバーの中から声が上がって新曲を作ることになりました。完結した気でいたから「次どうしようかな…」ってすごく悩んで、それもあってタイトルが『遠い空、宇宙の果て。』って宇宙までいっちゃったんですけど(笑)。テーマ的には僕の一生のテーマでもある「望遠鏡と顕微鏡」。小さな頃から父親の影響で科学雑誌をよく読んでいたんですけど、顕微鏡で撮った原子の写真と宇宙の写真が並んでいるのを見た時に「小さな世界も遠くて大きな世界も実は繋がっているんだな」って感じて。人間の心は無限の可能性を持っているということを常に意識していたいなと思っています。

―10-FEETのTAKUMAさんとのコラボ曲では谷中さんがラップを初披露されていますが。

谷中 NARGOが作った曲にメロディのないところがあって、「ここにはラップが入ります」とだけ伝えられていたんです(笑)。

加藤 合宿中にこのラップどうしようかと悩んでいた時に、TAKUMAに「こういう曲があるんだけど」って電話をして、「合宿来ない?」って言ったら来てくれて(笑)。

谷中 TAKUMAと一緒にラップのリリックを作ったんですけど、たった1日というすごいスピードで出来ました。

加藤 僕たちはそういうハプニングみたいなものをすごく大事にしていますね。

谷中 我々の活動自体もそうだけど、音楽もハプニングがあった方が楽しいよね。他人と一緒に演奏するということがもうハプニングの連続なので、「そうきたか」とか思いながら演奏するライブが楽しいです。

加藤 コラボレーションもその1つの要素かもしれないですね。僕らでは想像できない考えを持つ人たちと組んでやるわけですから。尾崎(世界観)くん(クリープハイプ)とのコラボ曲もありますけど、いきなり「『めくったオレンジ』って曲どうですかね?」って歌詞を持ってきてくれて。

谷中 僕らやファンの中でもすごく大事な曲の『めくれたオレンジ』をもじって『めくったオレンジ』っていう曲を作る発想は僕らにはないですよね(笑)。尾崎くんもすごく勇気を出して提案してくださったので、そこにやる気をみましたよね。本当にファイターだなって。

加藤 今回のアルバムも同じ視点で作品を作ってくれる素晴らしいアーティストばかりで。ただボーカルとして歌を歌ってもらうだけじゃなく、10人目のメンバーになってもらうような気持ちでいつも迎え入れてます。

谷中 一緒にやる時って距離感がない状態にしないと良いものは生まれないので。お互いにオープンな状態で、手の内見せ合って作業しています。自分たちにないものがたくさん知れるので、その時だけでなく終わった後にもお互い素晴らしいものを持って、次の旅に出られるというコラボレーションです。そして、一度一緒に作品を作るとメンバーみんながその人のことを大好きになっているのが分かるんですよね。久しぶりに会う時なんかはありありと感じるんですけど、昔からの友達に会ったかのようにみんな喜ぶんですよ(笑)。そういう距離感が楽曲にも表れていると思います。

―『Paradise Has No Border』は、キリン「氷結」のCMでさかなクンと共演したことでも話題になっていました。

加藤 さかなクンは学生時代、“水槽”がある部活だと勘違いして吹奏楽部に入部したらしくて(笑)。それをきっかけにサックスを練習して吹けるようになったそうです。

谷中 さかなクンは楽器もいっぱい持っていて、しかもコントラバスクラリネットとか珍しいものばっかり。僕、さかなクンの目には管楽器が魚に見えているんだと思うんですよね。家で魚をいっぱい飼っているのと同じ感覚で、楽器を集めているんだと思う。ひとつひとつに名前とか付けていそうだよね。今度、さかなクンに聞いてみよう(笑)。

―さかなクンとの楽曲はアルバム名にもなっていますが、その理由は?

加藤 この曲はフェスなどでやっても浸透しているヒットナンバーで、僕たちとしても自信を持って「聞いてください!」っていえる楽曲。今回のテーマとしてもふさわしいなと思ったのでアルバム名にしました。ライブもそのアルバム名を引っ下げてやると、ミュージシャンだけじゃなくダンサーやその土地ごとの大道芸人さんなど、音楽とは違うジャンルの人も取り入れる“ノーボーダー”なライブが出来るなと。

谷中 ずっとやっていると、絶対成功するアレンジパターンややり方が分かってきちゃうんですけど、今回はあえてそれを使わないで新しい楽曲を作ることを意識しました。新しいことをやるのは勇気がいるし、手間もかかるんですけど、得られることの方が多いですし、みんなが本当に楽しそうなんですよね。アルバム名通り、「“ノーボーダー”な気持ちを持つと“パラダイス”になったな」って思っています。

―スカパラの真骨頂であるインスト楽曲も新たに録音された6曲が収録されていますが、特におすすめの楽曲は?

加藤 ん〜全部なんですけど(笑)、『天空橋』という曲は「笑点」にも出てきそうな和風なメロディをスカに取り入れていて、すごく面白い仕上がりになったと思います。世界に配信された時に今の日本の音楽シーンを感じてもらえたらいいなと思いますね。銭湯でMVを撮影した『Girl On Saxophone X』は、スカパラのキラーチューンになっています。

谷中 そうだね。スカパラらしさはあるんだけど全然違うアプローチで作りました。メロディがどんどん変わって展開していく中でスカパラが暴れている感じ。

―そんなアルバムを引っ下げて、5月から全国ホールツアーが始まりますね!

谷中 いい楽曲が出揃ったので、ライブで演奏すると思うだけで楽しみですね。

加藤 最近のスカパラのツアーではストーリーを作ってそこに音楽を当てはめています。今回のツアーはまだ計画中ですが、さらに進化した“トーキョースカ”が感じられる、絶対楽しいツアーになると思います。神戸国際会館こくさいホールは、日本にあるホールの中でも三本の指に入るくらいに大好きな場所なので、気合いを入れて盛り上げに行きます!ぜひみなさん遊びに来てください。

谷中 “人を愛すること”を応援するのは音楽だと思っているので、「愛がなくなっちゃったな」という方はぜひこのスカパラの曲を聞いてみてください。今回のツアーでも新たなチャレンジがあると思うので、ぜひそこも楽しみにしてほしいです。

Profile

<谷中 敦(画像右)>Baritone sax
1966年12月25日生まれ、東京都出身。バリトンサックスを担当し、ボーカル曲の主な作詞を手掛ける。作詞家、俳優としても活躍中。

<加藤隆志(画像左)>Guitar
1971年9月20日生まれ、鳥取県出身。2000年1月に正式加入し、ギターを担当している。茂木欣一、柏原譲と共にバンド「So many tears」としても活動中。

Musicミュージック

2017全国ホールツアー
「TOKYO SKA Has No Border」

Album「Paradise Has NO BORDER」発売中

約3年ぶりとなる20枚目のオリジナルアルバムには、完結編として3作目となるKen Yokoyamaとのコラボ曲や、谷中敦とTAKUMA(10-FEET)のダブルボーカル曲を収録!

「嘘をつく唇 feat.片平里菜」、「道なき道、反骨の。feat.Ken Yokoyama」「さよならホテル feat.Ken Yokoyama」、さかなクンとの共演で話題の「Paradise Has No Border feat.さかなクン」など強力ヒットシングルのほか、6曲の新録インスト楽曲を加えた全14曲。

[CD]3,000円(税抜)CTCR-14917 
[AL+DVD2枚組]4,200円(税抜)CTCR-14915/B~C 
[AL+Blu-ray Disc]4,800円(税抜)CTCR-14916/B

2017全国ホールツアー 「TOKYO SKA Has No Border」の公演情報

大阪公演 日時 2017年5月23日(火)18:00開場、19:00開演
会場 フェスティバルホール
【問い合わせ】キョードーインフォメーション 0570-200-888
兵庫公演 日時 2017年6月24日(土)17:00開場、18:00開演
会場 神戸国際会館こくさいホール
【問い合わせ】神戸国際会館 078-231-8162 グリーンズ 06-6882-1224
料金 全席指定6,200円(税込)※未就学児童入場不可
Official Site http://www.tokyoska.net/